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みくるSS
2007.07.23 11:54
「はい、どうぞ」
朝比奈さん手製のお茶を飲み、しばしばの雑談に花を咲かす。
本日のSOS団文芸部支部には俺と朝比奈さんしかおらず、ハルヒも長門も、ついでに古泉もそろって欠席している。なにやら怪しいモノを買いに行ったハルヒとそれに付き合わされた長門。古泉は機関での会合だそうだ。たまたま保健室にいた朝比奈さんはハルヒによって強制出張に借り出されることを免れたようで、本日のSOS団が休業であることを知ったのは今さっきということになる。
「でも、この部屋に二人きりなんてなんだか変な感じですね」
まったくです。この部屋に二人、というのも珍しいが、その二人が俺と朝比奈さんであるなんて谷口の言葉を借りれば驚天動地そのものではないか。
「では変な感じがするついでに今日は俺が朝比奈さんに代わってお茶をいれましょう」
自分の湯のみを空にしてからやかんに火をいれる。
朝比奈さんのプリティスマイルを独り占めできることに思わず微笑みながらも、こんな幸せがあっていいのかと将来を憂うことも忘れないようにしておこう。良いことがあったら嫌なことがあるのが常識の世界だからな。
今日の朝比奈さんといえば俺以外だれもいないこの団活においてメイド服を着替える意味はないことを力説した結果によるものだが、珍しく制服姿である。
どんな服装をしても似合う朝比奈さんだが、最近はメイド服の朝比奈さんに見慣れているせいか、少しばかり新鮮で思わずドキっとしてしまう。見とれてしまうのは男としては正常な反応だろ。
お湯が沸いたので朝比奈さんの鑑賞は一時ストップして、見よう見まねで茶葉の準備をする。
「だめですよ~お茶はやさしくいれるんです」
と、急に朝比奈さんが茶葉を持った俺の右手に手を添えた。まさしく左手は添えるだけといった感じだ。
至近距離にいる朝比奈さんの吐息が聞こえて朝比奈さんを直視できない。
「葉っぱはこのくらいで…」
なれた手つきで俺の手を動かす。さすがに毎日お茶をいれてくれるだけあってスムーズだ。
ドキドキしながらも、しばらく朝比奈さんの手の柔らかさを堪能させていただくことにしよう。
「ふぇ?」
さっきから黙ったままの俺を不審に思ったのか、朝比奈さんが不意に顔をあげてきた。
朝比奈さんが顔をあげると顔と顔との距離が非常に近くなって、それこそキスしてるんじゃないかってくらいの距離になるわけで…
ガチャ
「みっくるー!今日は活動中止なんだってね!ハルにゃんが言ってた…にょろ?」
鶴屋さんの登場とともに浅い沈黙が室内を駆け巡る。
ふと、鶴屋さんが不気味にニヤリと笑い、八重歯を見せた。
「おやぁ、これはハルにゃん報告だねっ」
脳内がフリーズしている俺にできることと言えば、赤面して口をパクパクさせている朝比奈さんと鶴屋さんを交互に見ることくらいである。
朝比奈さんもフリーズしているようで、何とか俺が弁解しなければと思いながらも言葉はでてこないし体も動かない。
「ごゆっくりーにょろー」
どっかで聞いたようなセリフを吐いて特急鶴屋は行ってしまった。
やれやれ、どうするかな。
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