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SOS団のある日 2007.08.23 15:57




ちょっと精神が錯乱していたのでよくわからないSSとなっています。











「なんだこれは」
 授業が終わり、いつも通り文芸部室に向かうと、文芸部室の扉にはプリントが張ってあった。

『SOS団員には様々な能力が求められる。そのうちの一つが順応力』

 なんの冗談か。ここ一年間で俺は普通の人には理解できない環境でいろんな危機に陥っても平然としていられる順応力を持っている自負はある。

『あなたの役割は被害者の親友である。このプリントを一枚だけ剥がしてノックはしないで入ってくること』

 書かれている通りにプリントを一枚だけ剥がして入室する。剥がしたプリントの下には似たような文章が貼ってあったが、読まずに入ることにした。


 部室に入るとハルヒが団長席で腕を組んで、大胆不敵に微笑んでいた。
 部室の丁度真ん中に長門が倒れている。古泉が長門を見下す形で手を顎に添えて思案するポーズを取っている。朝比奈さんはまだ来ていないようだ。

「長門っ」
 俺は大げさに長門の名前を読んで近寄る。ぐったりとした長門を抱えて起こす。
「長門!大丈夫か」
「残念ですが…」
 古泉が諭すように言ってくる。そういえばコイツは文化祭でも演劇をしてたな。
「これは明らかな殺人です。ですが、完全な密室であったこの文芸部室でいったい誰が」
 長門を抱えたまま、古泉に目をやる。古泉は警察とか探偵とか、そんな役割だろう。奥にいるハルヒは紙にペンを走らせているらしく、どうやら登場人物には含まれないただの試験官のようだ。ということは、犯人は朝比奈さん?
「古泉、死因はなんだ?」
 この部屋に入ってから完全なアドリブでのみ物語が進んでいたためか、意表をつかれた表情で思案して、
「毒殺です」
 と言った。どうやら古泉の中でも犯人が朝比奈さんのシナリオができたのだろう。
「いったい誰が長門を」
 俺は長門をギュッと抱きしめた。一瞬長門がピクっと動いたが、気付かないふりをしておく。

 カタンっ

 ドアの方で音がした。見てみると、開いたドアからわざとらしい驚愕の表情を浮かべた朝比奈さんが「えっ?えっ?」とパニックを起こしている。
「朝比奈さん、無事でしたか」
 俺の口からでたセリフは何故かそんなモノだった。
「えっと、あたしは大丈夫。それより長門さんは?」
「長門さんは何者かに毒殺されたようです」


「状況を整理してみましょう。僕がこの部室に到着したときには長門さんはこの場所で倒れていました。鍵はかかっていて、完全な密室と言っていいでしょう。そして長門さんの死を確認した僕が犯人を思案していると彼が入ってきたのです」
「古泉が第一発見者ってことか。で、古泉と俺が状況を説明しあっているときに来たのが朝比奈さんってことか」
「そのようですね」
 ふむ。この演劇は犯人を見つければ終わるのか?毒殺ということならいつも長門が読書に勤しんでいる場所に明らかに怪しく置いてあるティーカップを証拠に朝比奈さんが犯人になるんだろうが。
「朝比奈さん、あなたは今まで何をしていたのですか?」
 古泉に先に言われてしまった。
「まて。お前こそ何をしていた?朝比奈さんはここにはいなかったんだ。ここから逃げる時間があるならあの明らかに怪しいティーカップくらいは片付けていくだろう」
「僕はさっき言った通りですよ。活動にきたら、長門さんは倒れていたと」
「朝比奈さんがメイド服に着替えないでお茶を入れるなんてありえない。消去法で犯人はお前になるんだがな」
 古泉は苦笑いをして両の手を広げた。朝比奈さんは訳がわからない、といった表情をしている。
「それに、一高校生のお前が何故毒殺だと断定した」
「すみません、お手上げです。いろいろ反論はできるのですが、これ以上反論したら劇中の設定に矛盾が生じてしまいそうです」

「はい、オッケーよ」
 ハルヒが立ち上がり、俺たちの演劇は終了した。
「なかなかやるわね。とてもアドリブだとは思えなかったわ。でもね、みくるちゃん。あなた全然しゃべってないでしょう。あたしがこれから演技指導してあげるわ」
 怪しい手の動きを携えて朝比奈さんに襲い掛かった。朝比奈さんは色っぽい声をどこからか出しながらささやかな抵抗をしている。ここから先は目に毒だから見ないほうがいいだろう。

「あなたも中々演技はですね」
 バカを言え。こんな安っぽいドラマみたいな展開あるか。俺の演技にはリアリティが皆無なんだよ。
「謙遜しなくても結構ですよ。あなたの演技は良かった。だから涼宮さんは満足した。それでいいじゃないですか」
 お前らがいいんならそれでいいんだろうよ。それよりも、
「それよりも、なんです?」
「長門、そろそろ起きあがってくれ。手が痺れてきた」

 抱えたままの長門を揺すって起床を促す。腕の置くからくぐもった声が聞こえてきた。

「もう少し」

 

 

 

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